【処方箋 No.009】涙の月曜日を「人生の転換点」に変える逆転の発想
人生から何を期待するかではなく、人生から何を期待されているかを考えましょう。
【患者の訴え】
先生、助けてください。日曜日の夜から動悸がして、月曜日の朝、目が覚めると「またあの日々が始まるのか」と思って涙が止まらなくなります。仕事が嫌いなわけじゃないはずなのに、職場に向かう電車に乗るのが怖くて、自分が情けなくて仕方がありません。人生に何の意味も感じられないし、ただ消えてしまいたいと思ってしまいます。
【診断】
あなたの苦しみは、哲学的には「実存的空虚」と、それに対する「心の防衛反応」が起きている状態です。 あなたが涙を流すのは、今の生活があなたの「本当の価値観」や「生きる意味」と、大きくズレてしまっていることを魂が教えてくれているからです。 フランクル博士によれば、人間にとって最大の苦痛は、単なる苦労ではなく「無意味な苦労」です。今のあなたは、職場という環境の中で、自分が何のためにそこにいるのかという「意味」を見失い、砂を噛むような毎日を送っている。その空虚さが、涙となって溢れ出しているのです。
【処方箋】
フランクル博士は、あなたに「問いのコペルニクス的転回」という考え方を贈ります。
理論の解説: これを「映画の俳優」に例えてみましょう。 多くの人は、人生を「観客」として眺めています。だから「この映画(人生)はちっとも面白くない、もっと私を楽しませてよ!」と不満を持ってしまいます。これが、人生に期待しすぎて疲れている状態です。 でも、フランクルは言います。あなたは観客ではなく、実は「主演俳優」なのだと。そして、監督(人生そのもの)があなたにこう問いかけています。「さあ、この『月曜日の朝に涙を流す』という過酷なシーンを、君はどう演じるんだい?」と。 「人生から何を期待できるか」と問うのをやめ、「今、この瞬間の人生から、私は何を期待されているか?」と問い直してみてください。
アクションプラン:
「誰か」や「何か」があなたを待っていると想像する フランクルは、収容所でも生き残ったのは「未来に待っている仕事や愛する人」を思い描けた人だと言いました。今の職場に、あなたの一言を待っている人や、あなたにしかできない小さな作業はありませんか?
態度の自由を行使する 状況を変えるのが難しくても、その状況を「どう受け止めるか」という自由だけは、誰にも奪えません。「今日は、一番元気のない同僚を励ましてあげよう」と決めるだけでも、あなたは環境の奴隷から、自分の意志で動く主人公に変わります。
涙を流す自分を「誠実な自分」として認める 涙が出るのは、あなたが人生を適当に流さず、真剣に生きようとしている証拠です。自分を責めるのではなく、「それほどまでに私は今、新しい意味を求めているんだな」と優しく認めてあげてください。
【用法・用量】
この考え方を取り入れると、絶望的な状況の中にも、自分にしか果たせない「一ミリの役割」が見つかり、少しだけ足元が明るくなります。
ただし、あまりに「意味」を追い求めすぎて、体を壊してまで頑張りすぎるのは逆効果です。フランクルは「休息」にも意味があると言っています。どうしても動けない時は、その「休むこと」が、未来のあなたから期待されている課題なのだと考えてください。
泣き疲れたら、まずは温かい飲み物を一杯飲んでください。あなたは、そこにいるだけで十分価値がある存在です。
お大事に。
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