【処方箋 No.046】「お金」という万能薬の幻覚を覚ます、魂への問いかけ
魂が貧しければ、黄金のベッドで寝ても悪夢を見るだけです。
【患者の訴え】
先生、正直に言って、世の中はお金が9割だと思います。 今の私の悩み、将来への不安、人間関係のストレス、劣等感……これらは全部、私の口座に10億円あれば解決するはずなんです。 だから今は、心を殺してでも稼ぎたい。愛とかやりがいとか綺麗事はどうでもいいから、とにかく大金持ちになって、この生きづらさを一発逆転させたいんです。その考えの何が間違っているんでしょうか。
【診断】
あなたの症状は、哲学的には「魂(プシュケー)への配慮の欠如」および「手段の目的化」です。 私はかつてアテネの人々にこう言いました。「金銭や評判ばかり気にして、知恵や真実、自分の魂をできるだけ善くすることには気を使わないのを、恥ずかしく思わないか」と。 あなたは今、お金を「幸福そのもの(目的)」だと思い込んでいますが、お金は単なる「交換のための道具(手段)」にすぎません。 あなたの悩みは、「道具が足りない」ことではなく、その道具を使うあなた自身の「魂」が、何が幸福かを知らないまま、不安や渇望に支配されていること(無知)から来ているのです。
【処方箋】
私は、あなたに「靴と足の対話」という問答を処方しよう。
理論の解説: 想像してほしい。お金は「靴」のようなものだ。 もし君の足(魂)が傷だらけで膿んでいたら、いくら高価な黄金の靴を履いても、歩くたびに激痛が走るだろう? 逆に、足が健康なら、普通のサンダルでもどこまでも歩いていける。 「お金持ちになれば解決する」というのは、「黄金の靴を履けば、足の怪我が治る」と信じているのと同じだ。 しかし実際は、お金が増えれば増えるほど、それを守る不安や、奪い合う争い、偽物の友人といった「新しい悩み」が増えるだけだ。君の魂が知恵と徳で満たされていなければ、10億円は君を幸せにする道具ではなく、君を破滅させる凶器になるだろう。
アクションプラン:
「お金で買えない悩み」をリストアップする 今の悩みを書き出してみよう。「死への恐怖」「孤独感」「他人への嫉妬」。これらはATMに行けば消えるものだろうか? お金で解決できるのは「生活の不便」だけであり、「魂の不幸」は解決できないという事実に気づくことだ。
「魂の世話」を優先順位の1位にする お金を稼ぐ努力を否定はしない。しかし、それ以上に「自分は正しく生きているか?」「何が善いことか?」を考える時間を持ちなさい。魂が健康であれば、少ないお金でも王様のように安らかに眠れる。それが最強のコスパだと思わないかね?
お金を「主人」から「召使い」に降格させる 今は君がお金に仕える奴隷になっている。立場を逆転させなさい。「私はこの金を使って、誰を喜ばせようか? どんな善いことをしようか?」と主人の顔をして命令するのだ。お金は、君が賢く使って初めて価値を持つ、ただの金属片なのだから。
【用法・用量】
この考え方を取り入れると、お金への執着による焦りが消え、今ある生活の中で「確かな幸福」を感じられるようになる。
ただし、私の弟子のように「清貧」を極めすぎて、働かずに議論ばかりしていると、家族に迷惑がかかる(私の妻クサンチッペもよく怒っていた)。生活できるだけのお金は、感謝して稼ぎなさい。
大切なのは、何を持っているかではなく、君が何者であるかだ。
お大事に。
関連する処方箋
【処方箋 No.045】暴落で失ったのは「数字」だけ。あなたの魂は1円も損をしていない
運命(相場)が与えたものを、運命が回収しただけのことです。

【処方箋 No.044】「まだ足りない」という呪いを解く、大富豪の知恵
貧しい人とは、少ししか持っていない人ではなく、もっと多くを欲しがる人のことです。

【処方箋 No.039】同級生への嫉妬は「自分も飛べる」と魂が叫んでいる音
「あの人は凄い」と認めてしまえば、毒は薬に変わります。

【処方箋 No.042】「もっと欲しい」という渇きを癒やす、0円の特効薬
幸せとは「何かを足す」ことではなく、「痛みを引く」ことです。

【処方箋 No.041】「勝ち負け」の土俵から降りる人が、実は一番強い理由
水は争わないから、誰にも負けないのです。
