【処方箋 No.043】「高級品」という鎧を捨てて、裸の王様よりも強くなる【処方箋 No.043】「高級品」という鎧を捨てて、裸の王様よりも強くなる
あなたを舐める人は、あなたの「値札」しか見ていません。そんな人の評価は無価値です。
【患者の訴え】
先生、外出するのが怖いんです。ブランドの服や時計、いい車を持っていないと、周りから「大したことない奴」「貧乏人」だと見下されている気がしてなりません。 実際、高級店に行くと店員の態度が違うし、同窓会でも身につけているもので格付けされている空気を感じます。だから無理してローンを組んででも、ハイブランドで身を固めて「舐められないように」武装していないと、不安でたまらないんです。
【診断】
あなたの症状は、哲学的には「虚栄心(ヴァニティ)」による「自己疎外」です。 あなたは自分自身の「中身(魂)」に自信が持てないため、高価な「レッテル(値札)」を自分に貼り付けることで、自分の価値を底上げしようとしています。 しかし、ディオゲネス博士に言わせれば、それは「奴隷の生き方」です。なぜなら、あなたは「他人からどう見られるか」という、自分ではコントロールできないものに人生の主導権を渡してしまっているからです。 ブランド品で武装すればするほど、鎧の下にいる生身のあなたは、「これがなくなったら愛されない」と怯え、どんどんひ弱になっていきます。
【処方箋】
ディオゲネス博士は、あなたに「大王を追い払う一言」を処方します。
理論の解説: 有名な逸話があります。世界を征服したアレクサンドロス大王が、樽で日向ぼっこをしているディオゲネスを訪ねてこう言いました。「何でも欲しいものをやろう」。 普通なら富や地位を願うところですが、ディオゲネスは平然と言い放ちました。「それなら、そこをどいてくれないか。日陰になるから」と。 大王は彼のこの態度に感服し、「私が大王でなかったら、ディオゲネスになりたかった」と言ったそうです。 なぜ彼は最強の権力者に舐められなかったのか? それは彼が「何も持っていない」からです。失う地位も財産もない人間を、誰も脅すことはできません。 「高級品がないと舐められる」のではありません。「高級品がないと自分には価値がない」とビクビクしているその態度こそが、相手に舐められる隙を与えているのです。
アクションプラン:
舐めてくる相手を「値札しか読めない文盲」と哀れむ あなたを身なりで判断してくる人がいたら、怒る必要はありません。「ああ、この人は人間の価値を見抜けず、値札しか読めない可哀想な人なんだな」と心の中で同情してあげましょう。彼らの審美眼の無さが露呈しただけです。
あえて「安物」を堂々と着る実験をする 一度、ファストファッションや古着だけで堂々と街を歩いてみてください。そして背筋を伸ばし、店員の目を見て話すのです。驚くほど誰も気にしていませんし、むしろ堂々としていれば、安物も「あえてのスタイル」に見えてきます。服があなたを着るのではなく、あなたが服を着るのです。
「太陽の光」を楽しむ ディオゲネスにとって、大王の財宝よりも、今浴びている太陽の光の方が価値がありました。無料の喜び(散歩、日光浴、会話)を知っている人は、高級品を見せびらかされるマウント合戦に参加する必要がなくなります。「私には太陽があるけど、君は何を持ってるの?」と心の中で笑っていればいいのです。
【用法・用量】
この考え方を取り入れると、見栄のための出費がなくなり、他人の視線から解放された「王様のような自由」が手に入ります。
ただし、ディオゲネス博士のように本当に樽に住んで公衆の面前で生活すると、現代では職務質問される副作用があります。清潔感(身だしなみ)だけは保ちつつ、虚飾(見栄)だけを捨ててください。
獅子は首輪の値段を自慢しません。あなた自身が獅子になれば、装飾は不要なのです。
お大事に。
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