【処方箋 No.023】「お金が足りない不安」を飲み干す、心のデトックス・スープ
本当の幸せは、豪華な食事よりも「誰とパンを分けるか」の中に隠れています。
【患者の訴え】
先生、正直に言います。お金が欲しくてたまりません。今の給料じゃ、ブランド品も買えないし、タワマンにも住めない。
SNSを見ていると、お金持ちが高級車を乗り回したり、宇宙旅行に行ったりしている。そういうのを見ると、「自分はなんて惨めなんだろう」と落ち込んでしまいます。お金がない自分には、幸せになる資格なんてないんじゃないか。そう思えてきて、将来が不安で夜も眠れません。
【診断】
あなたのその苦しみは、哲学用語でいう「空虚な欲望(むなしい欲求)」に支配されている状態です。
エピクロスは、人間の欲求を3つに分けました。
自然で、かつ必要なもの(食べ物、飲み物、雨風をしのぐ場所、そして友情)
自然だが、必要ではないもの(豪華な食事、性愛など)
自然でもなく、必要でもないもの(権力、名声、際限のない富)
今のあなたは、3番目の「あってもなくてもいいもの」を、生きるために絶対必要なものだと思い込んでしまっています。この欲求には終わりがありません。なぜなら、それはあなたの心が求めているものではなく、他人の目線を気にして作り出された「幻」だからです。
【処方箋】
今のあなたに必要なのは、欲望のサイズを「自分にぴったりの大きさ」に仕立て直すことです。
理論の解説: この状況を「スマホのデータ容量」に例えてみましょう。 あなたは今、「無制限プラン」じゃないと幸せになれないと思い込んで、高い月額料金(精神的な負担)に苦しんでいます。でも、実際にあなたが毎日使っているデータ量(本当に必要な喜び)は、数ギガバイト程度かもしれません。 エピクロスは「贅沢な食事を楽しめるのは、贅沢を必要としない人だけだ」と言いました。つまり、たまのご褒美を本当においしいと感じるためには、普段から「パンと水」のようなシンプルな生活で満足できる心が必要なのです。
アクションプラン:
「友情」を最優先事項にする:エピクロスが幸福のために最も重要だとしたのは、お金ではなく「友情」でした。高いレストランに行くお金を貯めるより、安い居酒屋や公園のベンチで、信頼できる友人と笑い合う時間を作ってください。これこそが、最もコストパフォーマンスの良い幸福です。
欲望に「ラベル」を貼る:何かが欲しくなったとき、それが上の3つの欲求のうち、どこに当てはまるか考えてみてください。もし3番目(見栄や名声)なら、その欲望を「これは他人の視線だな」とラベルを貼って横に置いておきましょう。
【用法・用量】
お金は「あれば便利」ですが、「なければ不幸」とは限りません。心の平穏(アタラクシア)は、銀行の残高ではなく、あなたの思考の中にあります。
「足るを知る」という考え方を取り入れると、驚くほど体が軽くなります。
ただし、エピクロスの教えを守りすぎて、毎日パンと水だけで過ごしていると栄養失調になるので注意してください。たまには美味しいケーキを食べて「快楽」を味わうのも、エピクロス先生は許してくれますよ。
幸せのハードルは、低ければ低いほど、毎日が当選確率100%のラッキーデーになります。お大事に。
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